幼稚園のご紹介
ぬりもじ 先生といっしょに文字の空書きをします。
総合教育について「動きとことばとリズム」
子どもの生命の根源である脳の働き
幼児は科学的にも実践的にも、人間としての諸能力を、最も豊かに内蔵し、最も著しく発達することが明らかにされた。
従って、われわれ幼児教育にたずさわる者は、「知・情・体」の調和のとれた教育環境を整え、「動きとことばとリズム」を基調とした、最も適切な経験を与え、活発な活動を繰り返し展開して、幼児の全面発達に全力を尽くすことをここに宣言する。
総幼研宣言に謳われた幼児の全人発達への願いは、同時に荘島幼稚園の幼児教育の根本理念でもあります。この世に生を受けてわずか数年。
しかしこの時期こそは、人間が生まれながらに持つ、百四十億の脳細胞が、激しく呼吸し、生命をみなぎらせる時。
いま明らかにされた、幼児の大脳の発達をめぐる認識が、荘島幼稚園が標榜する総合教育の出発点であり、そして、人間の生命が持つ無限の可能性という解きがたい神秘への畏敬が、すなわち、荘島幼稚園の仏教保育の核心なのです。
体も、心も、頭もすこやかに育ってほしい。
それは、子を持つすべての親の願いであり、それはまた、天地自然の根源たる御仏の、深い願いでもあるのです。
幼児教育は生活教育
だからこそ私たちは、より科学的に、より具体的に、この切なる願いを実現していきたいと考えています。
ところで、荘島幼稚園の教育実践をひもとく前に、私たちは、体、頭、心という別個の働きが、実はすべて脳の働きによるものであるという事実を、まず認識しておかねばなりません。体・頭・心、人間を人間として動作せしめているのは、つまりすべて脳の働きによるものなのです。
脳の働きの特徴は、体を動かす、頭をはたらかせる、心に感じる、そういったそれぞれの脳の活動が互いに密接にからみあい、影響を与えあうということ。体を動かすことが、すなわち頭の働きを促し、日記を書くという知的な活動が、豊かな情感をも刺激するのです。いうなれば、日々の生活経験そのものが、とりもなおさず幼児期の教育ということになります。
したがって、私たちの教育は、従前の知育、徳育、体育といった、領域的な活動をいうのではなく、むしろ、日常の生活における「動きとことばとリズム」というような捉え方による、生活行動様式形成の過程において、自然に育てられるものの総称であると確信しています。
幼児教育は生活教育。いかに豊かな、またいかに適切な生活経験を与えるか、それが荘島幼稚園の総合教育の大眼目なのです。